第二章:サーチフォー最安値

第二章:サーチフォー最安値

バーベキューまで、あと21日

《腹が減っては戦ができぬ》。
昔の人の知恵はたくさんの経験の中から導き出された統計学で、なかなかどうして馬鹿にできない。
確かに、オリジナルTシャツ作成というプロジェクトを達成するのは、ひとつの戦なのかもしれない。

おかずは冷蔵庫にあったウインナーと玉ねぎを軽く炒め、卵と合わせただけの簡単なもの。
隠し味に粒マスタードを使用したのが吉と出た。
しかし、覚えておいてほしい。このような冒険は時折悲劇を生むのだ。

晩御飯に野菜チャンプルー(野菜炒め)を作っていたときの話である。
キッチンにある使いかけのありとあらゆる調味料(コンソメ・オイスターソース・かつおだし・甜麺醤など)を、興味本位半分、残りの半分は奇跡を信じてフライパンに投入したのだ。
それぞれが個性のある調味料であり、適材適所に使用すればおいしい料理になることはもちろん知っている。

野菜がしんなりとなり、奇跡を信じた調味料が絶妙に絡まったころ、複雑で独特な香りが鼻を刺激した。
その香り、いや臭いに顔を出した不安を「外国の料理のようになっているのか?」という言い訳で端に追いやり、そのチャンプルーをお皿によそう。

そして、わずかに残った期待とともに、そのチャンプルーを口に運んだ。

「・・・っ!!」
それはあまりにも料理への冒涜だった。もちろん奇跡なんかは起きない。

野菜農家の方々に申し訳ないことをしたという思いの中、俺はその料理になるはずだったものをすべて平らげた。

料理に限らず何にでもいえることだが、足し算だけでは答えは出ない。
そんなことを実感させられた出来事だった。

閑話休題

オリジナルTシャツの料金について少しわかったところで、それぞれの業者の比較をしてみようと思う。
やはり高いより安いほうがいい。
しかし、安かろう悪かろうでは、サークルのメンバーをがっかりさせる結果になってしまう。

クオリティをしっかりと確保し、なおかつ安く、普段使いにも耐えうるオリジナルTシャツを作りたいものだ。

まずは比較するための基準を決めた。

  • 作成枚数は30枚
  • Tシャツは普段着ているくらいの厚さ(だいたい5.6oz)のもの
  • サイズはS~XL
  • プリントの場所は胸のあたりに大きく1色のロゴマーク

これで料金はいくらになるのか、それぞれの業者のサイトから比較検討をしていこうと思う。

いろいろな業者のいろいろな料金

Googleの検索窓に【オリジナルTシャツ】と入力してエンターを押す。
もうすでに手慣れた作業の後、表示された検索結果のリンクには閲覧済みのカラーの文字がずらりと並んでいる。

先にどのような料金がかかるのか調べたときにも感じたことだが、この分野のサイトはどうも料金の詳細を記載しない傾向があるようだ。
一番知りたい情報を隠すことにどんなメリットがあるのかわからないが、料金の詳細が記載されている良心的なサイトをブックマークし、それをもとに比較検討することにした。

  P社 R社 F社
Tシャツボディ代 ¥710 ¥640 ¥799
版代 ¥8,000 ¥30,000 ¥3,240
プリント代 ¥320 ¥560 ¥172
データ作成料 - ¥1,500 -
色替え料 ¥600 - -
送料 ¥0(1万円以上) ¥0(3万円以上) ¥756

「こうまでも業者によって値段が違うものか…。」
料金をまとめた表を目の前にして、驚きを隠せずにいた。

その中でも目を引いたのは【版代】だった。
あまりにも≪F社≫が安すぎるのだ。

ここまで安いと、逆に心配になってしまう。ってくらい安いのだ。
なぜこんな料金が打ち出せるのか。どこかに見落としはないのか。
もうちょっと調べてみる必要がありそうだ。

与えられた環境で最大限のパフォーマンスを発揮し、期待以上の結果を出す。
これが俺に課せられた役目であり、ポリシーでもある。

この【F社】についてもう少し調べてみようと思う。

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